ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書き終え、現在は浦安鉄筋家族について書いてます。桜井のりおは神。

2014-01-01から1年間の記事一覧

石黒正数『それでも町は廻っている』13巻

この漫画は、メイド姿でバイトしている女子高生の周りで起こる不思議な事件がお話の基軸になる。ふんだんに鏤められたガジェットやパロディや伏線が、物語へ読者をグッと惹き込む仕組みの漫画だ。 それでも町は廻っている (13) (ヤングキングコミックス) 作…

長崎ライチ『ふうらい姉妹』

この漫画は洒脱でシュールで面白い姉妹が主人公の四コマ漫画だ。彼女たちの奇矯がオシャレに可愛く、面白おかしく描かれる。 さてこの漫画も3巻まで出てきて、当初の設定やねらいだけを踏襲するのではギャグを作りにくくなっている。ギャグ漫画全般に言える…

作画:伊藤悠、原作:佐藤大輔 『皇国の守護者』

長らく人に貸していたこの漫画。そのことすら忘れていたが、とある機会に帰ってきたので読み返してみた。感想を書いてみよう。 もうこの漫画というか原作の小説はね。すごいね。架空戦記物で登場したら盛り上がるキャラや展開がもうほとんどこれでもかこれで…

『いきいきごんぼZ』64ごんぼZ(週刊少年チャンピオン2014年 36+37合併号)について

いきいきごんぼZは週刊少年チャンピオンで連載しているギャグ漫画だ。 いきいきごんぼZ 5 (少年チャンピオン・コミックス) 作者: 陸井栄史 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2014/07/08 メディア: コミック この商品を含むブログを見る やってくれた喃、睦…

つの丸『みどりのマキバオー』

擬人化の極北 つの丸の漫画には動物がよく登場する。ここで問題になるのが、人間と動物とのコミュニケーションの取り方だ。あるいは、動物がどこまでしゃべるのか?という問題だ。 みどりのマキバオー (1) (集英社文庫―コミック版) 作者: つの丸 出版社/メー…

【ゾロリ5】かいけつゾロリのゆうれいせん

ゾロリでも読むか。 本作は、アーサー王子の地位と名声に嫉妬したゾロリが、前作で手に入れた海賊船を用いて、アーサーと結婚相手のイルダ姫にいたずらする…という流れになる。 いやあ、アーサー王子って本当に良いキャラだよな。ちょっとドジなんだけどさわ…

『磯部磯兵衛物語』を更に楽しむなら杉浦日向子を読め

仲間りょう『磯部磯兵衛物語』が面白い。最近ずっと読んでる。 浮世絵風の絵で、学校教育で習うような江戸文化とは全く違うギャップのある行動をとらせる。面白い点はこの点に尽きる。 磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜 2 (ジャンプコミックス) 作者: 仲間…

『とっても!ラッキーマン』と『斉木楠雄のΨ難』と

ガモウひろし『とっても!ラッキーマン』は毒のあるギャグ漫画だった。当時子供だった私でもその毒を何となく感じ取っていたし、今改めて読んでみても大人向けな表現やギャグがちりばめられていたりして、この漫画がただの少年漫画ではなかったことをうかが…

『シドニアの騎士』12巻の感想

11巻の感想はこちらです。 本作では、弐瓶勉お得意のSF的身体が数多く登場する。人工的に成長させたクローンや人類と敵との融合個体や、性別が中間の者、アンドロイドみたいなのとか、まぁたくさん出てくる。 さて本巻では敵であるガウナに取り込まれたにも…

【ゾロリ4】かいけつゾロリの大かいぞく

ゾロリでも読むか。 こののちゾロリシリーズの一つのストリームとなっていく「大(グレイト)」シリーズ第一弾が通算4作目で登場だ。その名も『かいけつゾロリの大かいぞく』。 溺れている海賊船長の遺言をもとに、ゾロリ一行は海賊船に乗り込む。はたして船…

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』とはなんだったのか。 2005年から2006年ころ、ネットにおいて圧倒的な歓迎を受けた本作は、大人しい主人公が豹変するデスメタルの世界を面白おかしく描いた作品とよく紹介される。一方でデスメタルに通暁する人々から…

『バーサスアース』の打ち切りについて

週刊少年チャンピオンで連載されていた『バーサスアース』という漫画が突然終了してしまった。私はこの漫画が大好きで、今年注目したい漫画の一つだった。やーん。 チャンピオンではよくある、伏線投げっぱなしの突然の終了だった。敵味方含めたキャラクター…

尾玉なみえ『マコちゃんのリップクリーム』10巻の感想

尾玉なみえという漫画家は、その作品が打ち切りされることが多い。その是非はここでは措くとして、打ち切られるあたりから作品のテーマが迷走し、本当にわけがわからなくなってしまうことは尾玉作品ではよくあることだ。 (ただし、この打ち切り間際のなみえ…

尾玉なみえ『少年エスパーねじめ』にみる「ツンデレ」現象の萌芽

まず何が言いたいかというと、尾玉なみえは紛れもなく天才だということ。 そしてだ。00年代の雰囲気を因数分解したとき、おそらく大きな因数として「ツンデレ」という概念が現れるだろう。「ツンデレ」は概念化され激しく用いられ損耗し、00年代後半には再び…

それと今年2014年は服部昇大氏の作品が読みたい

前回の続き?じゃ。 まあ標記の通りなんだ。かつて『魔法の料理かおすキッチン』を連載していた服部昇大氏の連載作品が今年は読みたい。 この人はすごい。なんかプリキュアや照英や日本語ラップにやたら詳しいし、70年代少女マンガ風?(この辺り実際そうな…

2014年もよろしく!てな感じで今年も注目していきたい漫画 その2

前の記事の続きじゃ。 ④市川春子『宝石の国』 やっぱり市川春子はすごかった。初の連載作品で、どうだろうか、と思っていたところだったけど、改めて、すごかった。まず単行本の装丁がいい。彼女の専門分野といってもいいだろう「硬質なモノ」の持つ質感が、…

2014年もよろしく!てな感じで今年も注目していきたい漫画

あけましておめでとうございます。年のはじめということで、2013年面白かった漫画、2014年も続きが楽しみな漫画(漫画家)を挙げて行きます。 今年注目すべき●●つの漫画!みたいに格好つけることができればどんなにいいのだろうが、そんなん私には無理だ。ま…