『バーサスアース』の打ち切りについて
週刊少年チャンピオンで連載されていた『バーサスアース』という漫画が突然終了してしまった。私はこの漫画が大好きで、今年注目したい漫画の一つだった。やーん。
チャンピオンではよくある、伏線投げっぱなしの突然の終了だった。敵味方含めたキャラクターが増え新兵器の導入も控えた「まさにこれから」という時期に、突然の終了。実は私は今週号(14号)に『バーサスアース』が載っていなくて初めて打ち切りに気付いた。もちろん最終回13号も読んでいたのだが最終回だってわからなかった、笑。それほど、『バーサスアース』の連載終了は突然だったのだ。
週刊少年チャンピオンではこうした事例がよくある。5対5の対決と結末とを「前号のあらすじ」3行でまとめて最終回に突入した『悪徒-ACT-』や、新章が始まるのかと思いきやその後3話で打ち切られた『ケルベロス』などは記憶に新しい。『バーサスアース』含め、週刊少年チャンピオンのバトル漫画はこうした突如とした打ち切りの因縁にあるのだろうか。
こういうのって編集部と作者の間でどういう対話がなされているのだろうか。たとえ打ち切りになってしまうとはいえ、最終回へ持っていくあり方を討議する猶予さえないのだろうか。
あるいは、そういう現場レベルの問題だけでなく、もっと上の方からの「鶴の一声」的な部分から一気に打ち切りが決まってしまうのだろうか。私も働いていてすっげー上の方からの「鶴の一声」的なもので仕事が増減することがあるから、こういう事態が頻発してしまう原因は編集と作者の合意形成の埒外からもたらされたものであると考えてるんだけど、どうなんだろうか。
作り手側の事情はわからないが、読者にとってはこれは印象が悪い。「週刊少年チャンピオンはこんなものなのか」と思われてもおかしくない。
漫画でもなんでもそうだが、作る側の色々のせいでダメになるときは本当にすぐにダメになる。残念だがそんなもんなのだろう。打ち切られる漫画も一応はしっかり終わらせるってのは現在ではある程度は当たり前のことだ。だがそれすらも実はしっかりとした討議の上に成り立っていて、ちょっと怠ると大変なことになるのだ、ということを今回の事例は伝えている。
さらば『バーサスアース』。