ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。桜井のりおは神。

【NOiSE 全話紹介&解説】第三章 ネット端末移植

最下層の旧市街で、誘拐事件の独自調査を進める裾野。ネット端末移植のない子供だけが狙われていたことを知る。

 

・裾野のモノローグばかりの回。けれども、いろいろ都市が描写されていて面白いぞ。

・最下層の旧市街。ここの社会はかなり格差がありそうだ。

・派手な格好の裾野。ミニのワンピースを着用。なんでだろう。警察の格好だと、ここでは厭われるのかもしれない。色仕掛けをしたのかも。上層の人間、あるいは上層の秩序はあまり歓迎されないような雰囲気がある。

・集団トイレ! いいなぁこれ。禅宗のお寺みたいだ。あるいは古い中国のトイレみたい。

・子供の張り紙。行方不明になった子供たちだろうか。ここに霧亥っぽいのがいるというのは古くから知られている。ただ、もしこれが霧亥だったら色々つじつまが合わない気がする。警官時代の大人霧亥って『BLAME』で描かれている。ここで珪素生物(教団)側にいくのはちょっと流れが合わなくなるのではと思う。

ラクダみたいな生き物。こういうのいいよね。多分、ゲップの成分を採集して都市に必要な何かを生産しているのではなかろうか。

・双子? みたいな子供たち。おじさんも一緒だ。アウトローの親玉の一家なのだろうか。裕福。ネット端末あり。彼らは誘拐されない。


・ということで、ネット端末移植。インプラントされている。彼らは誘拐されない。インプラントのある子供を素にしてネットのカオスにつなげようとすると、結局インプラントを経由して通常の接続になってしまうのだろう。正しい接続が身体に基礎づけられている。逆に、インプラントがなければ、カオシックな技術を子供たちに施せる。正しいネット端末移植は不正接続への防御になりうると考えたい。

・ネット端末移植その2。『BLAME!』の作品世界においては、ネット端末は遺伝子に組み込まれている。有線で結ばなくてもよくなっている。最近の現実の世界では、ネットも無線接続が多くなった。こうした有線⇒無線の技術革新がこのあと起こるのだろう。そして、それは遺伝子に担保されている。確かに、現在スマホで色々認証したり支払いしたり便利になっている。もしもそうしたものが身体に内蔵されていたら……とても便利だ。免許証とかキャッシュカードや電子マネーの機能とか。身分とネット接続とが身体によって直結している状態。私たちの社会もこうなっていくかもね。スマホ、たまにどこかになくす人いるけど、現今無くすととっても不便だし危険がある。だからスマホの位置情報なんかを追跡できるようになっていたりもする。スマホ、体内に内蔵しちゃえばいい、となるかもしれない。絶対なくさないし、生体認証も確実だし。まぁ、『BLAME!』の世界では遺伝子にネット接続の権利を乗せる仕組みを逆手にとって、珪素生物がうまくやり込めるわけだ。

 

・ネット端末移植のない子供たちは下層に住んでいる。低い身分の子供たち、となるだろう。ちょっと想像が逞しくなるけれども、教団の側はもしかしたらこうした貧困層の子供たちを救済する目的があったのかもしれない。セーフガードの仕組みが出来あがってしまったら、ネット接続できない人々は排除されてしまう。このことは、このあとセーフガード自身の口から語られる。そうしたことへの自衛、という側面もあるのかもしれない。

・そうなると、教団はただ駆除系みたいなタイプの珪素基系兵器だけを生みだしていればよいわけではなくなる。次話に、いわゆる珪素生物がはじめて登場する。それまでは、ネットのカオスを使った駆除系タイプの珪素生物のみが登場していたに過ぎない。もしかしたら教団のセーフガードからの技術窃盗には二段階あるのかもしれない。始めは駆除系タイプの技術だけ。その内、裾野が手術で施されたような珪素基系の人格を持つ生命体の技術。後段になって、ネットスフィアとセーフガードに対抗しうる技術的な手段を得て、それを展開していく。

 

・都市の風景。まだ人が都市にひしめいている時代。下層の地域も、独特の活気があることが読み取れる。とってもいい。このあたり、現実にかつてあった九龍城砦の雰囲気にかなり近いと思う。とてもグッとくるので、知らない人で気になる人はぜひ九龍城塞、調べてみてね。