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ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。

【ゾロリ3】かいけつぞろりのまほうつかいのでし

ゾロリの感想を書いていくぞ。なお、この本はわが町の図書館の閉架書庫にあったものだ。わざわざ司書さんに出してもらったぞ。甥っ子に見せます的な体を装ってな! 

 

本作冒頭で、ゾロリは強大な魔法で奇妙に変形させられた動物たちに遭遇する。やがてその原因が、高い山に棲む魔法使いのせいであると知るや、ゾロリは矢庭に山へと登攀せんとする。

 

ノシシ問う「汝、悪しき者を退くるか」と。ゾロリ応えて曰く「否、我は悪しき者より邪なる業を学ばんがため登山するなり」と。はてさて…。

 

さて本作ではゾロリの死が描かれる。以下「死亡シーン」を見て行こう。

 

魔法使いとの争いで小さくされたゾロリは野菜の中に隠れた。が、そこを思いっきり魔法使いに踏まれてしまう。イシシとノシシとが慌てて近寄ると、そこには血だらけで斃れるゾロリの姿が!

 

おお、ゾロリよ。偉大なる悪戯ゾロリよ。三作目にしてついに死を迎え、その業にむくいる日が来たのだ!さらば怪傑ゾロリ…!

 

とはもちろんならない

 

ゾロリリテラシーの高い諸賢には自明であろうが、この血に見えたモノは実はトマトなのだ。ゾロリは野菜の中にあったトマトにまみれて気絶していたに過ぎない。ゾロリは死んではいなかったのだ!

 

さて、漫画を読んでいると、様々なキャラの「死亡シーン」に出くわす。トマトで血のりはそうした文脈の、本当に基礎の基礎の古典的表現だ。ゾロリでこうしたルールに触れられるのは幼い読者にとっては幸運で、漫画のみならずドラマやなにやらを読むための基礎体験になる。見逃されがちだがこうした文脈を感じ取れることは大切だ。実は生きていました、ってやつのかりそめの「死亡シーン」

 

具体例だと、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のヒュンケルや『バビル二世』のヨミとかはもちろんだが、『るろうに剣心』の薫なんかにも読んでて復活しそうな匂いを嗅ぎ取ることができるか。現代文の問題ではないが、そうした要素は読めておいて損はない。ゾロリの「死」からの復活は簡単に描かれているが、その波紋は後の豊潤な読書経験へと拡がっていくのだ。