【BLAME! 関連短編紹介&解説】BLAME
四季賞で審査員特別賞を受賞した弐瓶氏のデビュー作。警視庁の霧亥が殺人事件を追うなかで、機械に自我を移設した犯人と対峙する。
・警視庁捜査一課の霧亥。まだまだ警視庁とかがある時代。『BLAME!』からすれば古代だろう。でも、風景は私たちから見れば未来だ。
・霧亥、車かっこいいし、捜査も手慣れている。渋い若手の敏腕刑事といった感じ。どこまで「霧亥」を連続した存在として考えるか難しいのだけれど、『ブラム学園!』なんかのスケベなキャラ付けや、『BLAME!』での何かが欠落した(場合によってはちょっと間抜けに見える)霧亥とは雰囲気が違ってとてもいい。
・でも。強力な銃を射撃場で試し打ちする必要はあるのかなぁ? 同僚? もドン引きである。
・犯人の男。亜極剤って良く解らんけど、ほぼキまる薬なんだろうか。注目するべきは、取引のシーンでも霧亥との邂逅のシーンでも、無線で意識を機械に移送している可能性がある点だ。機械も強力。あるいは、この男が珪素生物の遥かなる先祖なのかもしれない。そうなればまさにイヴィが言うように、珪素生物は上代から霧亥に恨みを持っていてもおかしくはない。
・強力な銃は、とにかく霧亥のシンボルだ。
・この霧亥がやがては「セーフガードの密使」になり、さらに犬女たちの一派に参与して、さらにはシボと出会って最後にはネット端末遺伝子を持った子供を育てるんだろうか? 想像するだけで面白い。