ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。桜井のりおは神。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG63 上位駆除系

上位駆除系の攻撃でシボは壁に捕らわれる。LEVEL9シボが破壊されようとするその瞬間、霧亥の重力子放射線射出装置が上位駆除系を刺し貫く。死闘の末上位駆除系を倒した霧亥は、サナカンから今際の際に、胚について託される。

 

・上位駆除系。前回から通じてめちゃくちゃ強そうな印象。珪素生物を倒して受容体を破壊する目的の駆除系だ。以前も考えたことだけど、珪素生物には個性のあるサナカンとかドモイコみたいなセーフガードが派遣されることが多い。けれども、今回は無個性の駆除系がもたらされた。おそらく、非合理な珪素生物の行動を踏まえた任務ではなく、もうとにかく破壊してしまえば良い、という任務だから最上位の駆除系が派遣されたのだろう。交渉だとか、考慮の必要がない。とにかくぶっ壊してしまえば良い。それだけ強力な駆除系。

・そんな上位駆除系に挑むサナカン。まず武装を解除される。重力子放射線射出装置はセーフガードの武装だから、上位駆除系はこれを解除できる。そして壁に封ずる。


・LEVEL9シボの破壊。特殊な空間を造出する上位駆除系。他者を入りこめないようにしたのだろう。霧亥の重力子放射線射出装置の攻撃で貫かれているけれど、他の攻撃では破壊は難しい空間なのではなかろうか。

・LEVEL9シボの破壊② 噛んで壊すのかよ! 画集によればセーフガードの駆除系は、人々に悪印象を抱かせるような造形を意図しているそうだ。ちょっとキモいのもそのせい。そして、セーフガード(駆除系)の技術を盗んで成立した珪素生物の社会がちょっとキモいのも、多分そのせいだ。

 

・ギリギリのところでビームを放つ霧亥。主人公らしい登場の仕方だ。続けた攻撃は上位駆除系によって腕をもがれて防がれる。なおも左手で重力子放射線射出装置を扱おうとする霧亥。俺野暮なのかもしれないけど、上位駆除系は左腕ももいじゃえば良かったのに、と思う。上位駆除系は身体にまとったリボン状の構造体で霧亥の身体の動きを止め、最大出力の光線を放とうとする。このリボン、カッコいいしなにか「セーフガード」みたいな文字も見えて非常に雰囲気がある。作画の人の落書きなんかもあって面白い。


・サナカンの判断。霧亥を左手で守る。サナカンは当然、死を厭わず、身を賭してLEVEL9シボを守る。それは当然のことだ。だがその時に、霧亥のことを信じて霧亥を守ったといところは見逃せない大変重要なことだと思う。セーフガードでも統治局でもないサナカンが、霧亥にLEVEL9シボの存亡を託した。

・サナカンはもしかしたら霧亥と昔は同僚だったのかもしれない。たとえば、裾野結時代に、警察官で同僚だったとか、あるいはセーフガード時代にサナカンとして同僚だったか。彼らの少ない会話からはそんなことがうかがえる。何の後ろ盾もなくなったことで、すでに何の後ろ盾の無い霧亥と対等になって、後事を託したのかも。

 

・上位駆除系のビームの中、霧亥は重力子放射線射出装置を放つ。結局これよ、これ! 霧亥はこれ。これで解決するんだよな。絶対的な安心感がある。

 

・戦後。ボロボロになったサナカンは霧亥に受容体を託す。霧亥はこの個体がサナカンであるとしっかり理解している。サナカンも霧亥を排除の対象などとは考えては全くおらず、後事を託す。さっきも書いたけれど、ここには二人の対等な関係が垣間見える。どこか、歴史のどこかでかつてあった何気ない関係。そんな間柄を想起させる。会話は少ないけれども、最後の戦闘の直前の出会いで、お互いの経緯なんかはすでに網膜走査して認識しあっていたのだろう。こんな感じで、サナカンと霧亥は出自が似ているせいかかなりお互いに意思の疎通がやりやすかったのではないかと思っている。ネットではサナカン×シボという設定が人気だけれども、個人的にはサナカン×霧亥のほうがとてもしっくりくる。夫婦だったら黙々と互いに家事タスクをこなしそうな、そんな安定感が二人からは感ぜられる。

・シボは台詞なし。ま、ここではいらないだろう。受容体、硬いな。シボのLEVEL9の機体より硬いことになる。それだけ硬いものをシボは一瞬の間に考えて調べて生成したということなんだろう。

 

・霧亥は涙を流しているようにも見えるが、ここではどちらでもいいだろう。

・シボは完全に失われた。霧亥は何を思うだろうか。