ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書き終え、現在は浦安鉄筋家族について書いてます。桜井のりおは神。

映画『BLAME!』を見た

www.blame.jp

 

 

表題のとおり、netflixで映画版『BLAME!』を観た。面白かったー。はー。長生きするもんだ。普段は映画やアニメあんまり見ないし、このブログは漫画の感想を書くために作ったから、映画の感想を書くのはどうかと思う。

けれど、乗るしかないもんね、このBigwaveに。

以下、極端なネタばれしないよう気を付けつつ、所感を述べる。繰り返すが、あまりアニメや映画を見ない(直前に見た3Dアニメなんて「Miraculous Ladybug(ミラキュラス・レイディバグ)」だ)のでちょっと的外れになるかも知れんがご容赦。

 

 


・シャキサク!! 並列蓄電槽群!! お前達大活躍しとるじゃねーか!!!!! 二人とも立派になりやがって!

・無限に広がる都市。壁、パイプ、配線。それに色が付いて、映画になる。都市は動くわけではない。けれどキャラクターの動きの中に都市がある。漫画では描ききれない都市構造体のダイナミズム。動かないんだけどダイナミズム。見られて本当に良かった。そして、ちゃんと原作に出てきた都市の風景・遠景を出してくれていた。

・ただ、メガストラクチャーをもうちょっと出してほしかった。物理的にもそうだし、設定も物語に含んでほしかった。


・ストーリーについては、難解かつ様々な舞台を持つ原作を、よくまとめ上げたと思う。メイン舞台をづるやおやっさん達の村にしない方法だっていくらでもあったはず。相当の取捨選択があっただろう。原作をどこまで、どのように再現するか、は、原作の知識がどこまで必要か否かと絡んで永遠のテーマになる。ここではあまり深入りしないことにしよう。


・村人はなんとなく『BLAME!』原作よりもグレゴリー・ベンフォード『大いなる天上の河』感が強かった(もちろん、『BLAME!』そのものが『大いなる天上の河』にかなり影響を受けた作品なんだから当たり前っちゃあ当たり前だが)。食事の場面で、村人の風俗がわかる原作にはないシーンがある。ここも良かった。

・網膜やヘッドギアに映る表示は違和感なく受容できた。

 


・キャラクターの造形だが、『新装版 BLAME!』の表紙裏表紙のデザインがかなり意識されているように感じた。良くも悪しくも! 以下具体的に見ていこう。

・霧亥:本作で描かれた霧亥と電力との関係が良かった。映画にする際の工夫を感じる。もっと速く歩けよ、また、もっと早く話せよ、と思った。で、そんな彼が走る時。物語が大きく動く。もっとも、霧亥が特別製の身体であることや、出自が謎めいていることはもう少し強調されても良かったかもしれない。

・シボ:最高。俺シボ超好きなんだけどさ、もうね、最高。ふわっとしたストレートの金髪につり目気味の青い目。ばっちり。長身のシボがしっかり再現されていて、足音を響かせながら典雅に歩く。素晴らしいね。あとセリフが原作から引用される場合が多く、サービス精神旺盛! ただ、かなりクールに描かれていて、原作初期の元気でコミカルな感じや、あるいは周囲の人に見せる優しい雰囲気はやや後景に退いていた。冗談なんかをちょっと言ったりすると、よりグッときたかもしれない。

・サナカン:原作よりもかなり「可愛い」にステータスを振ってきた。『シドニアの騎士』のおまけ漫画にでてきた「すげえっ!! ガンツだ!!」の時に描かれたサナカンに近い。顔がくりっと丸くて、声も可愛いぞ。相変わらず村人ぶっ殺してるけど。口角を上げたりなど、ちょっとした表情なんかも描かれていてアニメになってより印象が強まった。髪もさらさらと動いてイメージちょっと変わった。それでさ、やっぱり男としてはサナカンに踏まれたいよな(少なくとも、霧亥がサナカンに踏まれてるのを見たいよな)。そこが再現されてて、良く解ってんなーと感心してしまった。
・あと、サナカンの発音は絶対サ↑ナカンだから。そこは譲れねえ。

・づる:おい、づる、お前……どうしちまったんだそんなに今風に可愛くなっちまってよォォォ~~~~ッッ。胸もふわふわじゃねーかッ!
・捨蔵:出番が増えてよかったと思います。イケメンになっとるし。

 

・振り返ると、あのキャラが見たかった、あの場面が見たかった、ってのはある。勿論ある。でも限られた時間で原作の塩加減を調整しなくてはならない。これはこれで程良いお味。
・原作大好きな私も、愉しい2時間弱を過ごせましたよ。