ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書き終え、現在は浦安鉄筋家族について書いてます。桜井のりおは神。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG34 溶融

ついに転送が始まる。やっぱり転送先にも都市があって、大爆発を起こしてしまう。その寸前、メンサーブは電基漁師の村の生き残りとシボに対して、脱出路を指示する。脱出の際、シボは取り残されてしまう。

 

・電基漁師の村の生き残り。11人いる。ギリギリ集落を維持できそうな人数を残しておくのがにくい。彼らが脱出してからどんな人生を送るか。その未来があることを想像させる人数。


・はい、シボの遺体からズルが採り出した情報の塊。なんとなくだけど、これ好きな人多いんじゃないだろうか。画集によれば、アナログ→デジタルによる「量子化ノイズ」を防ぐために、物理でデータを存在させておくもの。セウがだんだんボケていくのとの違いはここにある。以前書いた通りだ。これをもらった時のシボの表情がいい。嬉しそうだ。会ったばかりのシボに対しても、づるはこれを作ってあげたんだ。こういう大切なものをうけとるありがたさを、シボは知っているんだろう。塊都時代にも、きっといい人間関係を築いていたんじゃないかと想像させられる。電基漁師たちとはこのあとお別れで、このタイミングの会話が別れの会話になる。
・メンサーブが脱出ルートを指示する。メンサーブは本当に狂っていたんだろうか。余りに人間味がありすぎて、セウと言う一人の人間に肩入れしたことを「狂った」と言うならそうなんだろうけど。最後まで自分なりのやり方で、住民を守ろうとした。あるいはしている。


・転送先の大爆発。核融合かな?


・シボは電基漁師たちを脱出させた後とりのこされる。これ、メンサーブが狙ったんだろうか。もしシボが住民と一緒に脱出していたら、どうなったんだろうか。霧亥と超離ればなれになっちゃう。最大距離の転送先の距離で離ればなれになる可能性があった。ドアが急にしまってシボだけ取り残されるのはメンサーブによって仕組まれたことがらなのかも…なんて思う。セウの遺伝子はシボに渡されたわけだし、メンサーブはこのあとシボに情報を渡す必要を感じていたのでは。妖精みたいなのがわざわざシボを運ぶ理由も、これの可能性を補強する。かくしてメンサーブの意向により、両者は離れ離れにならずに済んだ、と考えたい。