ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG31 サナカンとシボ

中央AIの所にいる霧亥とメンサーブ・セウ。そこより低い場所にいるシボとサナカン。この二つの場所がこの回では描かれる。中央AIにネットスフィアとの協定を再締結するよう説く霧亥。人格が分離したシボとサナカンは戦闘に。そこにやってくる改造されたメイヴ。メイヴは二人を攻撃し上層部へ。サナカンは中央AIを重力子放射線射出装置で攻撃しようとする。察知した霧亥も遠隔からサナカンめがけて重力子放射線射出装置を撃つ。

 

・シボの転生。シボは別世界のシボの体に人格を転写したわけだ。単純だが解釈が難しい。別世界のシボは致命傷を受けて死亡したはずで、そこに転写したシボはなぜ元気に動き回れるのだろうか。貫かれたお腹が修復している描写もある。人格データと器としての身体。シボはそもそもゾンビ状態から体を生電社で新たにして旅をしていた。だから転写するのはまぁわかるが、その転写先の体が致命傷を負った体なのだ。別世界のシボの精神はどうなってしまったのだろうか。あるいは精神を別にデータとして保存して置かなかったのだろうか。この辺り、SFで頻繁に語られる肉体と精神のそれぞれの死を考えさせられるが、有効な判断はなかなかつかない。眠っていた(仮死状態の)異世界シボと精神が融合した、とも考えられるだろう。いきなり身体を使いこなせているからね。


・弐瓶氏は顔をヘルメットというかフェイスガードみたいなのでおおう描写が好きな気がする。のちの『ABARA』や『バイオメガ』にもそういうのが出てくる。


・サナカンの射撃。シボによればサナカンの最優先事項は中央AIの破壊。無秩序なワープで基底現実が危険にさらされるからだろう。セーフガードの振る舞いとして非常によく分かる。そしてシボとしては中央AIは破壊されたくない。ネット端末遺伝子の捜索が不可能になるから。だから霧亥にメッセージを送る。霧亥も受信。シボこんなこと出来たっけ? まぁこの時代だから無線通信は簡単なのだろう。描写が少ないだけで。
・サナカンの射撃を受けての霧亥の判断。これが謎。霧亥は直前にサナカンの射線を解析している。そして撃ち返す。この描写自体は非常にかっこいい。…のだが、良く分からない。なぜ霧亥は中央AIを狙ったサナカンの射撃を相殺しなかったのだろうか? 中央AIが破壊されると困る。ネット端末遺伝子を探せなくなる。それは霧亥も判っているはず。だが霧亥はビームを相殺せずサナカンを狙った。中央AIよりもシボ達の安全を優先した? 多分そうだろう。そう考えたい。霧亥はシボを助ける。