ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG28 Version

不安定な時空間から戻ってきた霧亥とシボ。少し前の時間に戻ってきたようだ。メンサーブ&セウと珪素生物との戦闘が描かれる。

・戻った時空。どうやら霧亥とシボは、珪素生物との戦闘中、妖精っぽいやつに助けられた直前の時空間に戻ってきたようだ。ちょっと時間をさかのぼっている。物語としてはLOG23の時間に帰ってきた。
・だから近くにはもうひと組の霧亥とシボが居て、妖精に連れられてなんでも造れる機械のところに居るはず。と思いたいんだが…。ここすごく理解が難しい。タイムリープの基本的な矛盾みたいなことが起こっている。最大の問題点は、妖精っぽいやつらが霧亥とシボの事を知らない、と述べる点だ。妖精っぽいやつらが、「さっきまでいた二人がまた来た」的なリアクションをしたら全く矛盾が無い。でも「知らない」「初めて会う」というリアクション。これが不可解。シボと霧亥が同一空間に時間的に重なって二組いて、初めの方は重力炉を一時的に停止させる。初めの方の妖精に会っていた霧亥たちがなければ、この重力炉停止という営為までも無かったことにならないか? ここが無くても複数ある世界線で「重力炉を止めた」という事実さえ拾えれば東亜重工的には良い? 妖精たちとのあのあたりやバルタンバへの尋問は無かったことにしていても良い? うーん。「重力炉を止めた」までへの論理的なステップを無視して良いのだろうか? 解釈が難しい。個人的にはやはり同一時空に霧亥たちは居て、妖精が沢山いて霧亥たちに会っているグループとそうでないグループがある、と考えるのが(あんま面白い発想ではないのだけれど)もっとも蓋然性のある流れと思う。そうなると妖精たちの「知らない」「初めて会う」というリアクションがあまり活きてこない。この私の発想では面白くない。うーむ。


・とにかく、重力炉を停止した、というところから新たな時空が始まる。新しい時空では、メンサーブは珪素生物に包囲されない。東亜重工中央AIのとこに行く。また東亜重工が条約を破棄してセーフガードの侵入が始まる。こういうことを考えるとやっぱり「重力炉の停止」は重要な事案で、東亜重工はこれを待っていたわけだ。その最終的な判断はなかなか愚かしいものになってしまうのだが。霧亥たちは時空が変わる前の記憶を持ちつつ新しい時空に突入していく。タイトルのVersionは、ここから新しい時空のVersionに突入したってこと?


・上記の事を踏まえるとシボの「あなた達のことを助けたのはこれで二度目になったわ」は間違い。シボはそう体感しているけど、この時空間のメンサーブにとっては初めてのことになる。この時空間では、メンサーブは、珪素生物たちにドーナツ状の兵器で迫られない。シボ自身も時空間の混沌を完全に把握しきれていない。というか誰がこの混沌とした状況を把握しきれようか。
・こう考えると、霧亥たちは東亜重工内でかなり時空間をいじられていると思しい。どこか知らず知らずのうちに。