ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書き終え、現在は浦安鉄筋家族について書いてます。桜井のりおは神。

【BLAME! 全話紹介&解説】 LOG4 統治局

階段の続く四角い縦坑状の場所に到着した霧亥。謎の少年と物々交換していたところ、少年を襲撃する3人組に遭遇する。少年は頭を吹っ飛ばされる。3人組は霧亥を歓迎せず、霧亥の雑嚢を縦坑に落とし、この場所に近づかぬよう警告する。するといつの間にか少年が復活。3人組を殺害。霧亥に微笑む。

 

・少年は、画集においてセーフガードであることが示唆されている。サナカンなんかと同じで上位のセーフガードで人格が施されているわけだ。画集では、こうした人格のあるセーフガードは対珪素生物用のものであると指摘がある。珪素生物はとても「人間らしく」、時に合理的な行動をしない。そういう時に常に合理的(機械的)な動作しかしない駆除系では太刀打ちできない。ということで人格のあるセーフガードが用意された。この次の次の話で珪素生物(ジェニタリアスとメタジィーニ)が登場する。地理的にも近いところにいる。少年セーフガードは本来はこの珪素生物2名の対応のために派遣されていたのだろう。もちろんネット端末遺伝子の無い人間に対しても敵対的だ。
・霧亥。彼は後々セーフガードとして登録されていることが明らかになる。正確には、元来はセーフガード以前からの「システムの密使」なのだろうが、その後連続してセーフガード的な立場も有したのだろう。だからサナカンは霧亥の機能を回復できる。ということは、少年セーフガードとはある種同僚にあたる。だから霧亥は3人組と違って殺されない。
・3人組。彼らは付近の村の住人だが、ずっと昔から統治局(セーフガード)と戦っているという。彼らのチェックによれば、霧亥は人間だそうだ。ここに、霧亥とセーフガードとの微妙な関係性がかいま見える。サナカンとか少年セーフガード、彼は人間と判定されるだろうか。多分されない、と思う。霧亥は「システムの密使」であり、かつネット端末遺伝子を探すために再編成された身体なのだ。セーフガード的な部分はあろうが、こうした事情があり人間と判定されたのだろう。
・3人組。結構強い。が、セーフガードには敵わない。少年セーフガードは近くの素材を造換して頭を再生したのだろう。サナカンもやってたあれだ。
・霧亥は始めのところから5000階層は登って来たそうだ。犬女が指示した3000階層よりさらに2000階層上った。1階が、例えば3mの高さだとして、縦に15キロの旅。うーんちょっと想像つかない。地球でたとえるなら成層圏に入った辺りかな? 感覚がつかめない…。

 

新装版 BLAME!(1) (KCデラックス アフタヌーン)

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