ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書き終え、現在は浦安鉄筋家族について書いてます。桜井のりおは神。

【ゾロリ4】かいけつゾロリの大かいぞく

ゾロリでも読むか。

 

こののちゾロリシリーズの一つのストリームとなっていく「大(グレイト)」シリーズ第一弾が通算4作目で登場だ。その名も『かいけつゾロリの大かいぞく』。

 

溺れている海賊船長の遺言をもとに、ゾロリ一行は海賊船に乗り込む。はたして船長を殺害したのは?また前作で手に入れた願いをかなえられる杖(残り三回)の使い道は?欲望に突き進むゾロリに危機が迫る!

 

本作でははっきりとキャラクターの死が描かれる。冒頭で溺れていた船長、また船長を殺害したタイガーという海賊も作品の最後でおそらく死亡したと思われる。そしてタイガーは露骨にゾロリを殺害しようと試みるている。作品も4作目となり、ここで初めて作中に死というファクターが用意される。残酷なテーマなのだが、キャラクターの死がストーリーを大きく進めることになることを本作は伝えている。

 

また本作では伏線というものが設定される。船長が溺死した際、浮き輪に星型の穴が開いていた。丁寧に作中では「これを覚えておいてね」と注意書きが為される。果たして星型の穴はタイガーの手についたドリルによって形成されたものである、と物語の後半で明らかにされる。このあたりの若き読者への配慮は流石のものであろう。

 

さて本作でゾロリは船を手に入れた。ゾロリはこれを幽霊船に改造して人々を驚かせようと決意するところで本作は終了する。次回予告が為されるのも本作からだ。シリーズが本格化することを予期するものである。このゾロリ第4話は、シリーズが大きく進んでいく一つのメルクマールなのだ。