弱いぜ!植物系能力者
植物系能力者の悲哀
バトル漫画を中心に、植物系能力を駆使するor植物に由来するキャラはそれなりにいるが、いかんせん弱い。弱すぎる。
この原因は割と自明で、火や雷や氷や水を駆使する能力者に比較すれば、植物は非常にフラジャイルな存在だ。熱にも寒さにも弱いし、それに現実世界では動物に食べられてしまう(かくいう私もさっきねぎを食べた。)。
ジョセフ・ジョースターのイバラ型のスタンド『ハーミットパープル』はDIOをして「貴様のスタンドが一番なまっちょろいぞッ! 」と言わしめるものだったし、ローゼンメイデン雛苺も同様の能力者であったがやっぱり弱い。「闘い」が漫画界の比重を占める昨今において、植物系能力者は冬の時代を迎えているのだ。
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ジョセフジョースター(3部):波紋と組み合わせた巧みな戦術はもちろん大好きだ。
植物系最強候補としての趙公明・蔵馬
敢えて植物系で強さをみせたキャラクターを探せば、藤崎竜『封神演義』趙公明と『幽☆遊☆白書』の蔵馬を挙げることができる。
趙公明はフランス貴族みたいな恰好をしている妖怪だが、金蛟剪というめちゃくちゃつよい武器を持っていて、そして良くわからないめちゃくちゃ濃いキャラクターとして主人公たちを待ち構えていた(趙公明は勝手に『国立!アンニュイ学園』という漫画を『封神演義』の漫画内で連載しようとする。原作のキャラからよくもここまでアレンジを加えられたものだ。藤崎氏の面目躍如である。)。その正体は巨大な植物であり、結局は主人公に倒されてしまうのだが、漫画『封神演義』の中盤を彩る強烈なキャラクターとして描かれた。それに彼は、この漫画における最終的な秘密を知っていた一人であり、そういう意味でも強力なキャラクターだったわけだ。
趙公明:中ボス。彼の封神シーン(死亡シーン)はマンガ史に残りうるインパクト。
蔵馬はご存知『幽☆遊☆白書』の名脇役。ローズウィップやシマネキ草など、植物系の能力を駆使して優美に戦う。もうかっこよすぎだし、終盤はめちゃくちゃ強くなる。妖狐だし。蔵馬に関してはもうね、男の私でも何も言うことない。
蔵馬:もう何も言うことはない。
趙公明と蔵馬。彼らが植物系キャラの最高峰なのだ。
やっぱり弱い
しかしである。やっぱ植物系は弱えーーーーーーーーーーーーーーーーんだよ!!!!!!!
趙公明は結局はやられてしまい、主人公たちを成長させる契機となる。主人公の「踏み台」なわけだ。
蔵馬はさ、強ええんだけどさ、あれだ。蔵馬ってやられてボロボロになって服とかビリビリになってちょっと口から血を出して苦しんでるっていうシーンが妙に映えるんだよな。かっこいい男がもがき苦しみながら辛勝するイメージだ。『幽☆遊☆白書』のなかで「やられ」役と言えば蔵馬。そんな感じがするのだ。
ということで、趙公明も蔵馬も強いことには強いのだが、それぞれ構造的な弱さを持っている。ここが植物系の限界なのだろうか。
いつの日か
私は見てみたい。初めから最後までごり押しする植物系能力者を。播磨灘が植物系能力力士だったらどうだったか?アカギが植物系ギャンブラーだったらどうだったか?
いつの日か、空前絶後の植物系能力者が現れることを期待したい。