ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG32 振動

東亜重工編も最終盤だな。霧亥の射撃でサナカンは消滅。中央AIのところではセウVSイヴィ、霧亥VSメイヴの様相に。サナカンに攻撃されていた中央AIは展開領域不確定のままに自殺行為とも言えるワープを強行する。

 

・サナカンの射撃を受けての霧亥の判断。これが謎。霧亥は直前にサナカンの射線を解析している。そして撃ち返す。この描写自体は非常にかっこいい。…のだが、良く分からない。なぜ霧亥は中央AIを狙ったサナカンの射撃を相殺しなかったのだろうか? 中央AIが破壊されると困る。ネット端末遺伝子を探せなくなる。それは霧亥も判っているはず。だが霧亥はビームを相殺せずサナカンを狙った。中央AIよりもシボ達の安全を優先した? 多分そうだろう。そう考えたい。霧亥はシボを助ける。


・記憶が戻るセウ。これなんでだろう。
・霧亥って体頑丈だし、強力な武器を持っているけれど、他の戦闘に長けた存在と比して、体そのものの戦闘力はそこまで高くない。いやスチフとかタイマンで倒すんだけれど、ここでの新型と融合したメイヴにはなかなか太刀打ちできていない。霧亥ってのは頑丈さが売り。


東亜重工って長さ何キロくらいだろうか。前も書いたかも知れないけど。なんとなく、『シドニアの騎士』の播種船くらいの全長な気がする。中の人々は植民者って言われているし。そしたら全長25キロくらいか。でっかいよなー。これ全体が振動している。スケールのでかい話だ。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG31 サナカンとシボ

中央AIの所にいる霧亥とメンサーブ・セウ。そこより低い場所にいるシボとサナカン。この二つの場所がこの回では描かれる。中央AIにネットスフィアとの協定を再締結するよう説く霧亥。人格が分離したシボとサナカンは戦闘に。そこにやってくる改造されたメイヴ。メイヴは二人を攻撃し上層部へ。サナカンは中央AIを重力子放射線射出装置で攻撃しようとする。察知した霧亥も遠隔からサナカンめがけて重力子放射線射出装置を撃つ。

 

・シボの転生。シボは別世界のシボの体に人格を転写したわけだ。単純だが解釈が難しい。別世界のシボは致命傷を受けて死亡したはずで、そこに転写したシボはなぜ元気に動き回れるのだろうか。貫かれたお腹が修復している描写もある。人格データと器としての身体。シボはそもそもゾンビ状態から体を生電社で新たにして旅をしていた。だから転写するのはまぁわかるが、その転写先の体が致命傷を負った体なのだ。別世界のシボの精神はどうなってしまったのだろうか。あるいは精神を別にデータとして保存して置かなかったのだろうか。この辺り、SFで頻繁に語られる肉体と精神のそれぞれの死を考えさせられるが、有効な判断はなかなかつかない。眠っていた(仮死状態の)異世界シボと精神が融合した、とも考えられるだろう。いきなり身体を使いこなせているからね。


・弐瓶氏は顔をヘルメットというかフェイスガードみたいなのでおおう描写が好きな気がする。のちの『ABARA』や『バイオメガ』にもそういうのが出てくる。


・サナカンの射撃。シボによればサナカンの最優先事項は中央AIの破壊。無秩序なワープで基底現実が危険にさらされるからだろう。セーフガードの振る舞いとして非常によく分かる。そしてシボとしては中央AIは破壊されたくない。ネット端末遺伝子の捜索が不可能になるから。だから霧亥にメッセージを送る。霧亥も受信。シボこんなこと出来たっけ? まぁこの時代だから無線通信は簡単なのだろう。描写が少ないだけで。
・サナカンの射撃を受けての霧亥の判断。これが謎。霧亥は直前にサナカンの射線を解析している。そして撃ち返す。この描写自体は非常にかっこいい。…のだが、良く分からない。なぜ霧亥は中央AIを狙ったサナカンの射撃を相殺しなかったのだろうか? 中央AIが破壊されると困る。ネット端末遺伝子を探せなくなる。それは霧亥も判っているはず。だが霧亥はビームを相殺せずサナカンを狙った。中央AIよりもシボ達の安全を優先した? 多分そうだろう。そう考えたい。霧亥はシボを助ける。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG30 絶戦

メンサーブとセウは中央AIのところへ。セウを完全再生するよう依願するも拒否される。そして、東亜重工が転送することを告げられる。舞台は移って霧亥とシボ。突然霧亥の重力子放射線射出装置が使用可能に。そして統治局の代理構成体が出現。東亜重工との不可侵の協定が、東亜重工側から破棄されたという。代理構成体から東亜重工の転送を告げられる。これは高確率で失敗するだろうとのこと。そしてこれを止めるためにセーフガードも東亜重工内に侵入しているとのこと。ネット端末遺伝子の確認が危うくなる。そして電基漁師集落の人々も危険にさらされる。霧亥とシボは中央AIのところへ。途中シボは襲撃され大けがを負う。すると内なるサナカンが発動。シボはすんでのところで別の世界線のシボの死体に乗り移り、二人(シボとサナカン)は対峙する。霧亥は中央AIにたどり着く。そこにはメンサーブとセウが。一方珪素生物のメイヴは新型珪素生物の死体を乗っ取る。非常にあわただしい回だ。

 

・中央AI。画集にはいくつかの空洞を管轄していたAIが合体してできたと解説がある。こいつ生電社の頭取みたいだな。それはともあれ、重力炉の正常化が完了したから出発すると言う。
・重力炉の正常化。一度霧亥が重力子放射線射出装置で停止したことでフォーマットされた?
東亜重工の出発。珪素生物にかなり浸食されてしまった現状を打破するために都市から脱出しようとしているわけだ。代理構成体が明確に指摘する通り、この試みは客観的に見てもかなりの悪手。都市の大きさも判らぬまま脱出しようとしている。なぜこんな選択をするのだろう。AIが狂ってしまった? 重力炉の正常化はようやく達成した悲願であり、珪素生物の脅威が迫る今、即座に出発することしか念頭になかった。やはり珪素生物や都市の暴走は古い時代に生成されたAIには想定外の状態だったのだろう。
・協定の破棄。なんで協定破棄したんだろう。珪素生物を排除するため?ワープしてから協定破棄すればいいのに。めっちゃセーフガードが入ってきた。中央AIの暴挙を止めるためだ。もしかしたら、ワープのためには協定を破棄しなければならないのかもしれない。


・シボ内部のサナカンの意識。10年間で深いところに閉じ込めたらしい。サナカンとシボは10年間同じ個体の中で向かい合っていたのだ。この営為がシボにとってもサナカンにとっても相手の認識・理解を深めた。サナカンの個性が伸長することになった。
・シボとサナカンの対峙。かっこいいシーンだ。10年ぶりに分割された。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG29 第13空洞

シボ&霧亥はメンサーブとの会話で、住人達が第13空洞に移管されたことを知る。そこで第13空洞に向かうことに。第13空洞では電基漁師集落の人々が珪素生物を倒していた。

・メンサーブとの会話。第8空洞の住人は第13空洞に。シボの転送の技術が未完成という台詞が良く分からん。
珪素生物による汚染。あるいは毒。これもなかなか解釈が難しい。バルタンバはネット端末遺伝子があるかどうかなんて気にせず人間を処理することを述べていた。汚染って何だろう。先に、ネット端末遺伝子が、都市空間にいる限り失性する、という仮説をたてた。都市空間が汚染されているわけだ。東亜重工内は都市から独立していたが、珪素生物が侵入してこの感染性の何かを放出した…? それを汚染と呼んだ。これにあてられると人間は少なくともネット端末遺伝子を失性する。またはふつうに毒ガスみたいなもので、死んじゃう。


・中央もAIであることを問うシボ。メンサーブはAIに対し否定的な人間を敵視する様だ。
・時空間がゆがんだせいか、妖精っぽいやつらは霧亥たちと初対面という。一方シボは妖精に対し面識があるという。この問題については前の話の解説に詳しく書いたのでそちらを参照されたい。


・電基漁師。珪素生物を倒せる。セーフガードを倒せるのであるから、その技術を流用した珪素生物も倒せる。


・最後のイヴィの台詞。「例の外から戻ってきた連中だ」。これ短いけど示唆に富む台詞だと思う。電基漁師たちがもともと東亜重工から外に出た人々と知っている。珪素生物は長生きなのか、誰かから東亜重工について情報を得ていたかしている。とうの電基漁師たちがほとんど忘れてしまっていることを知っていそうなほどだ。珪素生物たちの情報網は非常に優れている。なんどか言及しているように、多分超構造体の隔壁も気にしていない。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG28 Version

不安定な時空間から戻ってきた霧亥とシボ。少し前の時間に戻ってきたようだ。メンサーブ&セウと珪素生物との戦闘が描かれる。

・戻った時空。どうやら霧亥とシボは、珪素生物との戦闘中、妖精っぽいやつに助けられた直前の時空間に戻ってきたようだ。ちょっと時間をさかのぼっている。物語としてはLOG23の時間に帰ってきた。
・だから近くにはもうひと組の霧亥とシボが居て、妖精に連れられてなんでも造れる機械のところに居るはず。と思いたいんだが…。ここすごく理解が難しい。タイムリープの基本的な矛盾みたいなことが起こっている。最大の問題点は、妖精っぽいやつらが霧亥とシボの事を知らない、と述べる点だ。妖精っぽいやつらが、「さっきまでいた二人がまた来た」的なリアクションをしたら全く矛盾が無い。でも「知らない」「初めて会う」というリアクション。これが不可解。シボと霧亥が同一空間に時間的に重なって二組いて、初めの方は重力炉を一時的に停止させる。初めの方の妖精に会っていた霧亥たちがなければ、この重力炉停止という営為までも無かったことにならないか? ここが無くても複数ある世界線で「重力炉を止めた」という事実さえ拾えれば東亜重工的には良い? 妖精たちとのあのあたりやバルタンバへの尋問は無かったことにしていても良い? うーん。「重力炉を止めた」までへの論理的なステップを無視して良いのだろうか? 解釈が難しい。個人的にはやはり同一時空に霧亥たちは居て、妖精が沢山いて霧亥たちに会っているグループとそうでないグループがある、と考えるのが(あんま面白い発想ではないのだけれど)もっとも蓋然性のある流れと思う。そうなると妖精たちの「知らない」「初めて会う」というリアクションがあまり活きてこない。この私の発想では面白くない。うーむ。


・とにかく、重力炉を停止した、というところから新たな時空が始まる。新しい時空では、メンサーブは珪素生物に包囲されない。東亜重工中央AIのとこに行く。また東亜重工が条約を破棄してセーフガードの侵入が始まる。こういうことを考えるとやっぱり「重力炉の停止」は重要な事案で、東亜重工はこれを待っていたわけだ。その最終的な判断はなかなか愚かしいものになってしまうのだが。霧亥たちは時空が変わる前の記憶を持ちつつ新しい時空に突入していく。タイトルのVersionは、ここから新しい時空のVersionに突入したってこと?


・上記の事を踏まえるとシボの「あなた達のことを助けたのはこれで二度目になったわ」は間違い。シボはそう体感しているけど、この時空間のメンサーブにとっては初めてのことになる。この時空間では、メンサーブは、珪素生物たちにドーナツ状の兵器で迫られない。シボ自身も時空間の混沌を完全に把握しきれていない。というか誰がこの混沌とした状況を把握しきれようか。
・こう考えると、霧亥たちは東亜重工内でかなり時空間をいじられていると思しい。どこか知らず知らずのうちに。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG27 重力炉

重力炉の暴走を霧亥の重力子放射線射出装置で直し、他の空洞へ脱出する話。

・防磁繭。以前、塗布防電ってのを使って霧亥をサポートしたシボ。似たようなもの? 東亜重工内に通常の都市空間を創造する装置? 「電」とか「磁」とかを防ぐもの。都市空間は電磁波で満たされているのだろう。それを上手く分けたり防いだり。これがシボのやっていること。
・重力炉。うーむよくわからん。とにかく停止した。
・すまんこの話、ぶっちゃけ良く分からな過ぎて特に書くことがねえ! 重力炉については画集に詳しい説明がある。それを見てくれー。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG26 飛散空洞

メンサーブに飛ばされた先。時空間が不安定な場所。ここで霧亥は別の世界から来たシボと出会う。また、珪素生物の新型とも遭遇。戦闘になる。新型の攻撃で危機に陥るも、一緒に旅してきたシボが助けに来た。一緒に旅してきたシボは、この空間で10年も待ったという。


・飛散空間。東亜重工の内部には時空間が不安定な場所があるようだ。これは重力炉が暴走しているから。炉の暴走、というか東亜重工の航法の仕組みについては、画集にかなり詳しい解説がある。画集によれば、重力とダークマタ―との抵抗で航行する短距離用の推進と、「世界線」に穴をあけて「ワームホール」を作りだして「ワープ」する航法とがあるとのこと。本編からはこうした東亜重工の科学的な実態はうかがえないから深入りはしないが、ともかく重力炉の暴走が現状として起こって世界線がずれて空間が気象のように変化している。霧亥たちはこれに巻き込まれている。まぁ、この辺りの東亜重工をめぐる設定は画集に詳しいので気になる人はそちらを読んでほしい。
・別の世界線のシボ。何らかの手段で自分で超構造体を超えたシボ。霧亥との世界線がずれていることを即座に把握する優秀さ。これまた画集には、東亜重工と言う空間に新たに入ってきたシボの世界線をいじることで、東亜重工AIは重力炉異常の改善を目論んだ、とある。だからシボが何パターンか来ている。うーむこの辺りやたた画集の説明が厚い割には本編には説明が少ない。特に少ない。解説は本編を基礎にしているので、やはり深入りはしない。
・新型の珪素生物。違う世界線から来た珪素生物なのだろう。イヴィたちも見たことが無いという。


・助けに来た霧亥の知ってるシボ。「助けに来たわよ霧亥」このセリフは二回目。生電社での戦いのときが一回目。10年待ったという。
・シボが待っていた10年。世界線の関係でここまで時空間がずれたようだ。シボは粘り強く待っていたわけだ。そして防磁繭を即座に用意。これ「なんでも作れる機械」から作ったんだと思うけど、もしかしたらこの10年で作ったのかも、とも思う。そしてこの10年、サナカンを抑える手段を心得ていた。この10年の間にサナカンの形質と深く向き合ったことが、ラストへの伏線になっている。


・ぶっちゃけていうと、個人的にはこの辺りの展開は実はそんなに好きじゃない。世界線をずらす、という設定があまりに自由すぎて想像するにも「なんでもあり」になってしまいうまく考えをまとめられない。