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ディオゲネスの宴

漫画の紹介と、感想を書いていきます。 『BLAME!』全話紹介&解説を書いて行っているのですが、大分放置しておりすみません。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG10 ネット球

超構造体を目指す霧亥とシボ。シボのネット接続の失敗譚が語られる。途中休憩していたら、統治局の代理構成体が現れ二人に交信を試みる。

・弐瓶漫画って、実験体をいじくる実験していた場合、ほぼ100%実験体が暴走するよな。NOiSEもABARAシドニアも。

・都市の補助電源。謎の装置。そのままだと爆発するらしい。謎。超構造体を動かす電源なのだろうか。

ネットスフィア空間。草原。この漫画では基底現実には植物は見えない。ただネット上にあるのみだ。

・合成した遺伝子ではネット接続はダメ。セーフガードが出てきて大爆発だ。

・野営。この二人休む必要あるのか? と思うが、それなりに休んでいる描写があるから一応休息が必要なのだろう。どんな会話をしたのか、ちょっと妄想したくなるシーンだが絶対霧亥喋らなさそうだ。

・統治局。ネットを管理しているが、セーフガードは独立して動いている。セーフガードに干渉できない。統治局が霧亥とシボに接触しようとすると、もちろんセーフガードが発動する。ネット端末遺伝子が無い人間と代理構成体とが接触しているからだ。

・何とかダウンロードできた統治局の代理構成体。めっちゃ早口でしゃべる。キーーーーン。これくらいの量を語ったならば、ここだけで、きっとこの世界の成り立ちや現在の状況、解決策すべてを語りつくしているんじゃないかと思う。速すぎて聴こえないけど。多分ここすげえこの漫画のネタばれをしちゃってるんだと思う。

 

・なぜこのタイミングか? 霧亥はこれまでずっと旅をしてきた。しかし代理構成体はこの瞬間まで出現しなかった。なぜこのタイミングか? たしか画集にも示唆があったが、シボが仲間になったからだと思われる。統治局が霧亥単独で居る際に干渉するのは実は一度きり。アンオフィシャルメガストラクチャーの武器庫の場所を教えるときだけ。このほかはシボやモリが傍らにいる。これ、たぶん霧亥がセーフガードであることが関係している。統治局はセーフガードに干渉できない。霧亥にはセーフガード以前の性質があるのだろうが、セーフガードの役割を持たされた時期もある。だからダメ。シボを仲間にしたこのタイミングで、ネット端末遺伝子の必要性を改めて説く。

・なぜこのタイミングか? その2。ぶっちゃけ、霧亥だけだと代理構成体を派遣しても充分にコミュニケーションとれない、と統治局が判断したのかも。コミュ障霧亥と会話するまえに、セーフガードも出てくるし霧亥はすぐ銃撃っちゃうだろうし話にならない。だからシボがいないとだめ。実際シボは冷静で、霧亥が撃とうとするのを止めている。

・なぜこのタイミングか? その3。上の階層に、東亜重工があるから。東亜重工は古い建物で中に古くからの人が都市とは独立して棲んでいる。統治局はネット端末遺伝子の有無はともかく、こうした事情を知っており、上に階層に行くこととネット端末遺伝子の重要性を説いた。のかも。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG9 生電社

霧亥がネット端末遺伝子を求めて生電社に赴き、シボと出合い、頭取を倒す。そしてメガストラクチャーを超えて旅立とうとする回。


・塊都。アジアンな雰囲気。看板の簡略された漢字がかっこいい。ハングルっぽい文字も見える。この都市の雑然とした感じは、何となく初代プレステの『クーロンズゲート』の世界観から影響があるように思う。このゲームでも「クーロネット」というネット接続ができたりする。そもそも、『クーロンズゲート』はかつて香港に実在した九龍城砦が元ネタになっている。塊都や、都市の連続性について、九龍城砦がモチーフの根底にあると思しい。


・生電社。でかい。塊都の政府っぽい壁の文字より断然でかい。弐瓶氏の漫画では、企業が成長して行政機構を代行するような描写がよくみられる。生電社もこの階層一帯を科学力で仕切る存在なのだろう。というか画集にそういう指摘があったわ。


・生電社では労働者が搾取されているようだが別に霧亥は彼らに味方しない。漫画の王道はけっして歩まない。


・生電社内部の警備兵。こいつもかなり強い。別の階層で珪素生物と戦わせてみたい。霧亥は戦いのさなかに落下。よく落下する男だ。


・生電社の下。なんか下水みたいなところ。ここでシボが登場。最初の形態はすでに先学が多く語りつくしているだろう。敢えて贅言しない。めずらしいのはシボの眼窩にムカデみたいなのがいることだ。この電脳世界でもじめじめした所には相応の生き物がいるんだ。ちょっと安心する。


・最初期の元気なシボの台詞。ぐっと来る人も多いだろう。勿論私もだ。この後、二人は本当にいいコンビになり、ネット端末遺伝子を見つけ出す。本当にいいコンビ。


・シボの手助けで霧亥は頭取のもとへ。「ネット端末遺伝子を探しに来た」と霧亥。そんなものはないわけだから、生電社員は笑っているわけだ。霧亥は攻撃するも警備兵の超能力がやっぱすごくて銃を持った右手をふっとばされてしまう。


・助けに来たシボ。「助けに来たわよ霧亥」。このセリフは後でもう一度。そして、シボがレベル9になってしまった後には逆に……。とにかく、霧亥を助けるシボと、シボを助ける霧亥。シボの経験に深く刻まれる出来事なのだろう。


・霧亥はやっぱ根は良い奴で、シボがついていた嘘を許容し頭取を撃つ。シボが霧亥のこと信頼するようになるのはこういうところが霧亥の根底にあるからだ。頭取でけえな。


・戦い終わった後の会話。ここで「階層」に新たな意味が加わる。「超構造体」という概念も提示される。霧亥の古代兵器によって、古代からのメガストラクチャーが破壊できるわけだ。


・シボの台詞「この階層の外から来たってこと!?」これがちょっと問題だ。霧亥の初期の旅の中でどこで階層(超構造体)を超えたのだろうか。本編では明示されていない。クモイと会った回の開けた空間。あれはかなりそれっぽくもあるが、クモイが向こう側から来れたのだから違うだろう。上位セーフガードの少年と出会ったあたりは物語の空間が連続しているので途中に超構造体があったとは考えづらい。あの四角い縦坑状の空間に出る以前、テクノ遊牧民との出会い以後に超構造体があったとしか(物語では全く触れられていないが)考えられない。つまり、犬女のいう3000階層上と霧亥が言った5000階層は登って来た、の間に超構造体があり、霧亥はそれをぶっ飛ばしてやって来たのではないか。少年セーフガードに殺された3人組の一人が、5000階層上ってきた霧亥に対し、そんな深いところはあり得ない、と言っている。これもメガストラクチャーに隔たれていたと考えるならばしっくりくる。作品初期の設定が未成熟な箇所に敢えて考察するのもあれだが、敢えて考えるならば以上になると思う。


・メガストラクチャー。明滅しているらしい。どういう風景なのだろうか。すごくロマンがある表現だ。

【BLAME! 全話紹介&解説】LOG8 塊都

ここからLOG11まで、シリーズ読み切り。塊都編がまるまる収まる。

長い橋を渡った先。なんかドロドロしたのを採ってる女の子を見付ける。女の子はなんかよくわからん捕食機みたいなのに食べられそうになり、霧亥は女の子を助ける。しかし女の子とは言葉が通じないようだ。それに人間とはやや異なる形質を持つ生物であることが分かる。そして、突如としてこの生物の仲間が大挙して押し寄せて霧亥を取り囲む。でも女の子のとりなしがあった様で、霧亥は威嚇されるにとどまり襲われることはなかった。
先に進んだ霧亥は、今度は背の高い人間がいる集落にたどり着く。そこで情報を収集するには塊都という場所に人間がたくさんおり、遺伝子技師もいるという。ネット端末遺伝子もみつかるかも知れない。霧亥はテツとヨシオの輸送船に乗せてもらい塊都を目指す。
途中、先程の生物の襲撃を受ける。この生物は乾人というらしい。なんとか乾人の襲撃を退けるも、テツは死亡。ヨシオとともに塊都へ到着。
ここで霧亥は輸送船の積荷を初めて知る。すなわち塊都の科学者集団に売り渡すために、乾人を拉致して輸送していたのだ。これに気を害した霧亥は重力子放射線射出装置をバンバン打ちまくる。警備兵が出現。戦闘の中、霧亥は塊都の内部に逃れこむ。

 

・この話、いま読み返すと相当長いな。読み切りの始めだから増量ページで掲載したのだろう。

・乾人。謎の民族。乾人の体は生電社で生命工学の材料として利用されていた。高値で取引されていたようだ。思うに実験体かなにかが逃げ出したものの子孫が乾人になったんじゃないだろうか。

・乾人の女の子が採ってたの、あれなんだろう? ドロドロしたのを採ってる。そして霧亥がなぜかそれを食べてる。ちょっと間抜けな光景だ。霧亥は基本的にほとんどなんでも栄養にしてしまう。クモイとヤキが造ってたきのこみたいなのもそうだし、シャキサクもそうだし、乾人のドロドロもそう。並列蓄電槽群の電気でもオッケー。便利な体だ。乾人に話を戻すと、女の子はちゃんと族長っぽい人物に霧亥の事を説明している。族長もその説明を聞き入れ、霧亥が助けたことを認めたのだろう。忍者みたいなポーズをとって、忍者っぽく素早く消え去る。私は長年、族長のあのポーズは、ワープをするために必要なポーズかと思っていた。でも、もしかしたら違って、霧亥に感謝の意を伝えるポーズなのかもしれない。またそのコマの、女の子の嬉しそうに安堵する表情は見逃せない。乾人は人間とは敵対的だが、かならずしも全てが全てそうではない、という姿勢が垣間見られる。

・このあと、乾人と友好関係になる…とかいうありきたりの流れにならないのが『BLAME!』の良いところ。

 

・たどり着いた先、輸送船のドックがあるところ。ナミ江という女性と霧亥は話す。やはり一般の住民には、ネット端末遺伝子の情報は伝わっていないのだろう。もう少し後に出てくる、ヨシオとの会話でもそれはうかがえる。原人が統治局と通信していた、という認識。作品のメインクエストであるネット端末遺伝子の探索・ネットへの接続であるが、実は多くの人々にとってはそれは重要なことではない。『Noise』の描写なんか見ても、ネットに接続できる人間は始めから限られていたようだし。

・ナミ江のいる集落。塊都からは距離があるが、文化圏にある衛星集落だろう。この階層にいる全員が背が高いわけではなさそうだ。ここのおじいさんが種族の違いがある、と言っているし、テツとヨシオとの会話でもそうした旨が出てくる。思うに塊都のある階層は相当広い。これはあとでまた考えよう。

・ナミ江の事務所。おじいさんがなんか吸ってる。背後には電話の交換手みたいな台で作業している人物もある。なんとなくナミ江が嫁で、おじいさんがたが義父母になるんじゃないだろうか。旦那はほかにいて、テツは出入りしている運び屋、って感じだと推測している。

・テツ。やたら渋い男だ。LOG1で出てきた「やあ」の男と服装が似ている。めっちゃ渋いキャラだが乾人の襲撃で命を落とす。

・ヨシオ。俺こいつめっちゃ好き。元は人間だと思うが高度に電装されており、輸送船のオペレーションを掌っている。表情が豊かだし、なぜか怒っているいるわけではないのにはげ頭にスジを浮かべてしゃべるし。「そうだよ、遠くから来たって言ってたもの」の台詞の時の表情が可愛い。若い頃はいろいろ危ないこともやっていたらしい。ヨシオは積み荷が乾人であることが判った霧亥に壊されちゃう。これ全然ヨシオ悪くないよな。ヨシオは仕事してるだけだ。

・ヨシオは霧亥にグシャってつぶされてしまった。きっとヨシオは生きているに違いない。あんなに電装してるんだからデータをどこかで保存しているだろう。それに生電社や塊都の連中が暴れた霧亥について事情聴取するだろうから、バックアップか何かから復活するに違いない。ヨシオの冒険は続くのだ。

・なおヨシオはブラム学園!でも大活躍だ。

 

・ヨシオによれば、塊都一帯は廃棄階層と言い、統治局(の建設者)が関知しない階層なのだと言う。だから塊都は発展している。もしかしたらどこかの段階で因果関係が逆になって、塊都の科学力で建設者を来させないようにしているのかもしれない。珪素生物も手を出さないのも、そうした高い科学力に関係がありそうだ。

・積荷が乾人とわかりイライラした霧亥。たしかに乾人との信頼関係はもう構築不可能。重力子放射線射出装置を放つ。ここで出てくるのが生電社の警備員。こいつがかなり強え。重力子放射線射出装置は当たると無敵なわけで、物語のほとんどの場合これ当てちゃえば霧亥の勝利に終わる。だがこの警備員、なんか超能力みたいなので重力子放射線射出装置のビームを曲げちゃう。重力子放射線射出装置を実力でかわした珍しい存在。この辺り、塊都ってすげーなって思う。

【BLAME! 全話紹介&解説】 EXLOG 廃巣

霧亥が都市を歩いているだけのお話。

 

・廃巣ってのはハチの巣とかで、蜂がいなくなった巣のことをいう。霧亥は都市を歩いているわけだが、結構人が住んでそうな居住区のような場所を歩いている。骸骨があったり実験設備があったりする。ただし、人はいない。どこかに行ってしまったのか、全滅したのか、実はそもそも居住区だけで人は住んでいなかったのか。誰も知る由はない。


・黒さが強調されがちな『BLAME!』世界だけれど、カラーで見ると結構色彩に富んだ描写がある。ちょっと後に出てくる電基漁師たちの衣装も画集で見るとカラフルだ。血のような赤の描写は作品途中で結構出てくる。ネットスフィアエンジニアの造換塔なんかも血のようなドロドロしたものを出している。都市が蔓延する世界はモノトーンな印象を受けるが、実際はそうでもないのかもしれない。塊都なんかをカラーで見てみたい。

【BLAME! 全話紹介&解説】 LOG7 建設者

落ちた先の開けた空間。そこで霧亥はクモイという男に出会う。クモイはヤキという女を治す治療者を待っており、霧亥をそれと思い込んでいる。霧亥は治療者ではないと述べるも、クモイは意に介さず話を続ける。そこに建設者がやってくる。霧亥は建設者を止める道具を持っていた。それを見たクモイはより大きな建設者の停止を霧亥に依頼。無事に巨大な建設者を止めることに成功するも、珪素生物ジェリタニウスがクモイを攻撃。霧亥はジェリタニウスを倒すもクモイは瀕死。ヤキの近くにクモイを届け、霧亥は旅を続ける。

 

・この回を読んで改めて思うことは、『BLAME!』って全然解説しないな、ということだ。だがそこがいいのだが。
・クモイやヤキの素性は、この後明らかになると思いきやそんなことはない。アキマというクモイの言っていた出身地に行くこともなく、塊都に行っちゃう。私ははじめ長い回廊を通ってアキマに行くのかと思っていた。
・建設者を止める機械を霧亥は持っており、かつて貰ったと言っていたが、そんなことは漫画の中では描かれない。
・ジェリタニウスとメタジィーニがうろついていた目的も不明。なんで空間が開けているのかもわからん。
・霧亥の旅も、ちょっと行く先がずれたら、全く違ったものになっていただろう。そんな想像をさせられる。

【BLAME! 全話紹介&解説】 LOG6 珪素生命

近くの村でも、人間と駆除系とが戦闘中。そこに大爆発とともに現れたのが2体の珪素生物。霧亥は1体を倒したが、もう1体との交戦中に、シャフトに逃れる。シャフトの先にはかなり開けた空間が広がっていた。

 

・物語の進展上仕方がないのだが、霧亥が訪れる集落はほとんど襲撃される。ひでえもんだ。


珪素生物ジェニタリアスとメタジィーニ。彼らは第1話で霧亥が珪素生物を殺したことを知っている。珪素生物は人間よりもより広域的に活動している形跡がある。場合によってはメガストラクチャーも気にしない、と思しい描写がある。またこの二人、シャキサク回の珪素生物の生産施設にも関わりがあるようだ。もしかしたら二人の子孫を増やす装置だったのかもしれない。二人ともかなり強い。人間にはもちろん、駆除系相手にも引けを取らない。


珪素生物と霧亥の関係。霧亥は珪素生物大嫌い。生産施設を壊したことを態々伝えて、笑みを見せる。霧亥が笑うシーン、というか感情を見せるシーンは本当に貴重。それほどまでに、珪素生物が大嫌い。何度かあるであろう霧亥の人格の転生・転用。それに一貫して珪素生物と敵対する関係にあったのは間違いない。後に珪素生物イヴィに「上代からの恨み」があると言われている。霧亥は昔っから珪素生物にとって敵なんだ。


・メタジィーニ。結構可愛い。手を口に添えてクスクス笑いするところとかグッとくる。弐瓶氏は人間よりも化けものや都市を描く方が好みだったと画集で述べている。メタジィーニすぐ顔面を重力子放射線射出装置でブッ飛ばされるんだけど、良いキャラしてる。かつて(今でもそうかも)弐瓶勉2chの総合スレッドは、平気で珪素生物やドローンや建設者でハァハァする連中であふれていた。ま、作者の力の入れどころを考えれば当然と言えば当然だ。私は木星跡地で観測してる珪素生物が好きだな。女子だと短編の方のプセルが好きだ。髪がふわふわしてそうでそこが他の珪素生物と違って好きです。可愛い。


・シャフトから出てきた霧亥。馬鹿くさい格好でぴょーんと飛び出てくる。両足を広げてさかさまに。ギャグ漫画みたいだ。


・開けた空間。本編随二くらい? の広さ。向こうが見えない。広い。ただ広い。すっかり述べるのを後回しにしてしまっていたが、この都市の「広がり」。なかなか他の漫画家に描けるものではない。この世界観。じっくり味わい、見えない部分も想像する。なんという至福だろう。SFの妙味が漫画の世界で絶妙に表現された世界だ。

 

新装版 BLAME!(1) (KCデラックス アフタヌーン)

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【BLAME! 全話紹介&解説】 LOG5 脱出

霧亥は村に到着したが、既に襲撃された後だった。唯一の生存者を背中に負って、近くの村に脱出を図る。そこに現れたのは駆除系と呼ばれるセーフガード。村人の装備ではセーフガードの外殻素材は破壊できないが、霧亥の重力子放射線射出装置ならば貫通可能。セーフガードを退け近くの村に到着したが、背負った生存者は駆除系の攻撃で息絶えてしまった。

 

・少年セーフガードに言われた40階層上の集落。襲撃されて一人しか生き残っていない。生存者から統治局の話を聞く霧亥。霧亥全然記憶なし。統治局の事も知らない。画集の説明にもあるが、彼らは統治局とセーフガードとを区別していない。物語が進むにつれて、統治局とセーフガードとの微妙な関係は明らかにされていく。また、建設者もここで初登場。建設者についてもこの辺りの住人は誤解している様で、統治局が当時のテクノロジーを復活させた、と説明する。多分復活させた、というよりかは、古代からそのまま継承されてこの時代に至る機械群だろう。この集落の住人は、このようにかなり統治局や建設者に対する認識があやふやになってしまっている。網膜に映る表示の意味もわからないと言う。テクノ遊牧民もネット接続の事を知らなかったから、こういう、かつての繁栄について忘却の彼方にあるのがこの時代の一般的な人類なのだろう。どこかで継承が途絶えてしまったわけだ。それでもこの集落の脳髄技師が高い再生技術を持つようで、瀕死の人間が助かるとの描写がある。独自に科学の発展を成し遂げているようだ。これはテクノ遊牧民も塊都の人々も同じ。ネットに接続せずとも科学は進歩する。これはBLAME!世界を考える上で重要なファクターだ。


・駆除系。この付近の集落の武器では壊せない。この後、東亜重工編に出てくる電基漁師たちの武器は駆除系に穴をあけることができる。古い時代の企業(?)、東亜重工由来の武器だ。この辺りからは、駆除系を構成する素材(古代の素材)を砕く方法がロストテクノロジー化してしまっていることがうかがえる。塊都の科学力だとどうだろうか。駆除系倒せるかな? いけそうな気もするが…。とにかくこの集落の人々はかなり別のテクノロジー進化の歩みをみせてしまって往時を忘れてしまっているのだろう。そして駆除系を敵として戦っているが、近くに造換塔でもあるのだろう。


・しかし今回は分が悪かった。上位セーフガードが出てくるし、きっとそれに連れられてたくさんの駆除系がやってきて防ぎきれなかった。これはひとえに、近くを珪素生物がうろついていたことに起因しよう。上位セーフガードは珪素生物のための兵器だ。この集落はいわばとばっちりを食ってしまったのではないだろうか。多分普段はもっと駆除系は少なかっただろうし動きも限定的だったのだろう。でなければ戦える武器もないのに集落を維持出来ないはずだ。

 

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